福岡高等裁判所 昭和28年(う)1410号・昭28年(う)1415号 判決
而して貨物の海上からする密輸入の罪は外国から輸送して来た貨物を内国に陸揚すをことにより既遂となるのであるから、その陸揚前の途中においてこれを陸揚することについて共同加功するにおいては密輸入の罪の共同正犯としての責は免れないのであつて原判決の判示するところによれば、被告人は相被告人三浦、石山、木下等が共同して当時関税法の適用上外国とみなされた南西諸島中口の島から密輸入しようとして陸揚する以前長崎県南高来郡土黒村沖合の有明海に投下した原判示貨物の陸岸への引揚げについて同人等から協力方を依頼されるや該貨物が無免許の密輸入品であることの情を知りながら之を承諾し、昭和二十六年五月十二日頃から六月下旬頃までの間陸揚作業に要する掃海船の雇入、資材買入等の斡旋をし且右三名等と共同して投下地点における引揚作業等に従事したが貨物の所在を発見しないため輸入の目的を遂げなかつたというのであつて被告人が前記相被告人等と共に貨物の無免許輸入未遂罪の共同正犯として問擬せらるべきであることは明らかであるから之と同趣旨の原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。
(後略)